知的障害を起こす先天性疾患

公開日:2025.07.30

知的障害を引き起こす先天性疾患には、遺伝子異常や染色体異常、代謝異常など、出生前から存在するさまざまな原因があります。以下に代表的な疾患を分類して紹介します。
NIPTなど出生前にわかるものをは赤字にします。多数の疾患が検出できることがわかると思います。


🧬 1. 染色体異常によるもの

疾患名特徴備考
ダウン症候群(21トリソミー)中等度の知的障害、顔貌の特徴、心奇形など最も頻度の高い
エドワーズ症候群(18トリソミー)重度の知的障害、成長障害、生命予後不良女児に多い
パトウ症候群(13トリソミー)重度知的障害、奇形、短命頻度は低いが重篤
ターナー症候群(45,X)知的障害はまれ(軽度の学習障害)女児のみ、一部に社会性の障害
クラインフェルター症候群(47,XXY)男性、軽度の言語・学習障害成人まで診断されにくいことも

🧪 2. 遺伝子異常による単一遺伝子疾患

疾患名特徴備考
脆弱X症候群男性に多く、発達遅滞・顔貌・行動異常X染色体関連、女性は軽度のことも
レット症候群女児に多く、発達退行・けいれん・手もみ様運動MECP2遺伝子変異
プラダー・ウィリー症候群筋緊張低下、過食、軽度知的障害父由来の15q欠失または母性片親性ダイソミー
アンジェルマン症候群発語障害、けいれん、笑い顔、重度知的障害母由来の15q欠失または父性片親性ダイソミー

🧬 3. 代謝異常症(先天代謝異常)

疾患名特徴備考
フェニルケトン尿症(PKU)放置で重度知的障害、特殊ミルクで予防可能新生児スクリーニング対象
メープルシロップ尿症異常な尿臭、嘔吐、けいれん、昏睡早期治療で予後改善
ホモシスチン尿症高身長、視力異常、知的障害ビタミンB6反応型もあり
ムコ多糖症(ハーラー症候群など)顔貌異常、臓器肥大、発達遅滞酵素補充療法の対象疾患もある

🔍 4. その他の先天性疾患

疾患名特徴備考
胎内感染症(トーチ症候群:TORCH)Toxoplasma、風疹、CMV、ヘルペスなどによる感染が原因頭蓋内石灰化、視力・聴力障害、知的障害
脳形成異常(リスフェンセファリーなど)大脳皮質の形成異常により重度知的障害・てんかん遺伝性もあり
頭部水腫(重度)脳の圧迫による知的機能低下手術や早期治療で改善の可能性も

📝 まとめ:早期発見と介入が鍵

  • 多くの疾患は出生後早期または新生児スクリーニングで発見される可能性があります。
  • 知的障害の重症度や予後は、疾患の種類・合併症・早期対応によって大きく異なります。
  • 疑いがあれば小児神経科・遺伝科・発達外来の受診が推奨されます。

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