認証外施設でNIPT陽性になった患者の多くが、なぜ産婦人科で羊水検査を拒否されるのか?

公開日:2023.03.24

対応

認可外施設で陽性だった場合の産婦人科医の対応

NIPT(新型出生前診断)を受けることができる病院には、認可施設認可外施設の2つがあります。 「認可外施設」と聞くと少し不安になる方も多いのではないでしょうか?

しかし、実際には認可外施設でも医師の指導のもとでNIPTを受けることができるため、心配する必要はありません。むしろ、認可外施設では認可施設よりも詳細な検査を受けることができるため、多くの方が選ぶ選択肢となっています。

ただし、認可外施設で陽性の結果が出た場合に産婦人科で羊水検査を拒否されることがあるそうです。

この記事では「なぜ産婦人科で羊水検査を拒否されるのか」ということについて考察します。

産婦人科のおかしな習慣?

習慣

昨日のエコノミストonlineに

という記事を見つけました。河合蘭さんはNIPTコンソーシアム時代のまえからNIPTにかかわっている著名人であり、様々な意見を述べてこられた方です。これまでのNIPT検査の日本における歴史や問題点が書かれていました。その中に以下の一文が最後にありました。

認証・認証外を問わず陽性判定を受けた妊婦がカウンセリングを受けられる仕組みなど、まだまだ検討すべき課題があり、今後は国がリーダーシップを発揮する責任があります。

私はこの文章を読んだときにカウンセリンで終わっている点が残念な印象を受けました。患者さんにとって本当に必要なものは情報と実際の手技であると思っています。どんなにカウンセリングを受けても、羊水検査などの確定検査をしてくれる施設がなければ、妊婦にとって好ましくない状況になります。産婦人科業界におかしな習慣があるとすれば、医師の応召義務に違反しているということです。

応召義務とは・・・

「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」という医師に対する法律のことです。

もしも羊水検査を断られることがあったら・・・

拒否

どの医療機関で受けようが、医療的に必要と感じたのであれば応召義務が発生します。また、義務の前に医師の倫理観として拒否することは普通ありません。困っている人がいるのに、それに応じないことはヒポクラテスの誓いに反します。この誓いはすべての医学生に教えられている倫理観です。

認定外であろうが、認定施設であろうが、患者の求めがあれば相談、治療に応じるのは医師にとっては当たり前だと思いますが…

もしも、羊水検査を断られることがあったら、応召義務、ヒポクラテスの誓いの言葉を使ってください。

認可施設・認可外施設とは・・・

施設

認可施設

認可施設とは日本医学連合会が認証(認可・認定)したNIPT(新型出生前診断)検査施設のことです。認証を受けるためには、NIPT(新型出生前診断)を含め出生前診断に精通した臨床遺伝専門医が在籍し、専門外来を設けていることなどの条件をクリアする必要があります。

認可外施設

まず初めに、認可外施設は違法施設ではありません。認可外と聞くと、マイナスの印象を受けるかもしれませんが、NIPT(新型出生前診断)非認可施設も認可施設同様に、医師が在籍し、採血などの医療行為を正しくおこなう医療機関です。なお、非認証施設の検査精度を認証施設と比較しても差はないとされています。

認可施設と認可外施設の違いは?

違い

認可施設によるNIPT(新型出生前診断)の検査項目が21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)のみと限定されています。 それに対し、認可外施設で行うNIPT(新型出生前診断)には、誰でも必要とする検査項目を選ぶことが可能とされ、自由度の高いNIPT(新型出生前診断)を行うことができるという違いがあります。

こう聞くと、認可外施設の方がよさそうに感じますが、一部の認可外施設によっては、NIPT(新型出生前診断)を含む出生前診断の知識が少ない医師によって、カウンセリングや検査がおこなわれるケースも少なくありません。なので、自身の条件によりNIPT(新型出生前診断)を認可外施設でおこなう際は、婦人科専門医の在籍の有無や検体検査所が国内か海外か、NIPT(新型出生前診断)後のアフターフォローがあるかなどを、しっかり確かめる必要があります。

まとめ

認可施設であろうと認可外施設であろうと基本的に応召義務が発生するため、検査や治療を拒否することはできません。なので羊水検査を断られるこがあれば応召義務について話してみるといいでしょう。

ただ、そういった状況にならないためにも、検査したい項目が21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・13トリソミー(パトウ症候群)の中にあるなら認可施設を選んだり、認可外でもアフターフォローがしっかりとした施設を選ぶといったことが大切です。

そのためNIPT検査を受ける際は、事前調べをしっかりと行い、自分にあった信用できる施設を選ぶようにしてください。

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