なぜ、陽性検査はNIPTの確定検査といわれるのか?
こんな素朴な疑問に答えてくれる他のWEBサイトはないと思います。羊水検査とNIPT検査の最も違う点はどこの細胞をとっているかということです。NIPTは絨毛(胎盤)から検出し、羊水検査は胎児由来の細胞を採取しているのです。通常は両者は同じなのですが、異なることがあるのです。それがモザイクと呼ばれているものです。複数の種類の細胞が混じっていることをモザイクと言います。では羊水は胎児そのものかというと、そうではありません。胎児が形成されるときに、発生初期に内胚葉、中胚葉、外胚葉に分化します。羊水中に含まれる細胞は内胚葉(消化管、尿管など)と外胚葉(皮膚、神経など)由来であり、主には皮膚や腸粘膜から放出される細胞です。中胚葉(血液、骨、筋肉など)の細胞はほとんど放出されません。そのため、血液疾患と関連性がある疾患に関係する部分のみに異常がある場合には羊水検査では検出されない可能性があります。特に部分欠失と血液疾患は関連性があるといわれており、それらは羊水検査では検出されないリスクがあります。
また、羊水検査は感度100%、特異度100%とおもわれていますが、実はそうではありません。
感度99.32%、特異度99.86% (引用)
他の文献を調べても同じ程度です。これはNIPTよりも低いです。
なぜそうなるのかは、さまざまですが
母体由来の細胞を穿刺の際に引っ張ってきている可能性。
外胚葉しか主に検査ができない点。
羊水でないところをとってきている手技的な問題。
などが考えられます。
医学は総合的な判断をするものだと思います。羊水だけではわかりません。さまざまな検査を総合的に考え、確率的に考えるものです。なので100%はどんな検査でもありませんし、羊水検査がNIPTより正しいとは証明されていないということは論文レベルでは確実に証明されています。確定検査という言葉に惑わされないでください。