認証施設と名付けられているところでも現在はまずビデオをみて、同意書に同意するだけのところが増えてきています。なぜこうなったのか、説明しましょう。
1.遺伝子のことを説明できる産婦人科医がほぼいない。
2.クリニックなどの小さい認証施設では遺伝子カウンセラーがいないので、産婦人科医が研修をうけて認証をとっているのですが、忙しくてカウンセリングの時間が取れない。
3.GeneTechがビデオ含む同意書のシステムを配っている。
ここでGeneTech社に説明しましょう。以前は国内企業であったのですが、Eurofinsに買収されて現在は海外資本となっています。産婦人科学会と一緒になって、NIPTコンソーシアムを立ち上げ、認証施設の検体をほぼ独占しておりましたが、現在ではその比率は減ってきてます。
検査手法に関しては、以前はSequenomCMM社(現Sequenom Laboratories社)とMaterniTPLUS™ 検査 (母体血中cellfreeDNAを用いた胎児染色体検査)の国内独占販売契約を締結を結んでいたため、初めはSeqenom社のシステムを使ってNIPTを行っていました。現在はVeriSeq V2システム(イルミナ社)も併用しているようです。いずれも技術提供なので、独自に開発したものではありません。日本でNIPTを行うために、日本人妊婦を対象にした13,18,21トリソミーのみの臨床検査に協力していたため、現在も認証施設との関係が強いです。
現在、この会社が誰でもカウンセリングができるビデオを作成し、認証施設に配っています。NIPTコンソーシアムがこだわっていた遺伝子カウンセラーによる遺伝子カウンセリングも現在では形骸化してきているようです。